2526UBACフルモデルチェンジ

来季約10年振りにUBACがフルモデルチェンジとなります。

コアもシェイプも全部変わります。

コアは今季のSLAP Liteと同じ、ポプラ&ポローニャミックスにカーボン&グラスファイバーのシートを組み合わせています。ノーマルSLAPよりもポローニャの割合が多い感じです。

一応セミキャップと言っていますが、現行モデルと違い、トップとテールにも、うすーくサイドウォールは入っています。

サイドカーブは現行モデルより大きく、キャンバーとロッカーは控えめに、足元は柔らかくトップとテールを固めに仕上げ、現行の乗りやすさはそのままにエッジグリップを強化し、高速域での安定性を強化しています。

重量についてはモデルにより現行から100gほど重くなっています。

modelweight24/25weight2526
UBAC89176cm/1.35kg176cm/1.3kg
UBAC95178cm/1.42kg178cm/1.43kg
UBAC102176cm/1.45kg175cm/1.51kg
UBAC112/108176cm/1.49kg173cm/1.64kg

来季で無くなってしまう112と新たに出る108との差が顕著です。

現行の112はこの太さではマーケットで最も軽い部類の板であり、柔らかく操作性のいい板です。一方、108はかなり走破性重視の剛性の高いモデルで、全然性格の違う板となっています。

ざっとスペックの説明はここまでにしておきます。

滑った際のフィーリングはそれぞれだと思いますので是非2/24からの岩岳試乗会にお越しください。

個人的に来季導入しようと思っているのは108です。

ハイシーズンの板としてはロングツーリングでVOILEのハイパーV8、ゲレンデや短めのハイクの際にS112という選択をしていますが、固い斜面なども出るコンディションでかつ102では太さ的に足りないかも、という状況がちょいちょいあります。

そんなわけでハイパーV8より剛性が高くてS112より軽いU108です。

ハイパーV8(176cm/1.4kg)にはPLUMのSUMMIT(565g)を乗せていますので、U108(173cm/1.64kg)にPIKA+ブレーキ(335g)でほぼ同じ重量となります。

アルパインの混じるロングツーリングやアーリー/レイトシーズンのパウダー板として最適な組み合わせになるでしょう。

Gold,SLAP,H112の話

最近ラッピーのスタッフさんから、「仲間内で未だに新井さんの不帰滑降動画を見る」という話をされ、ちょっと感慨深いものがあったので、少々長いですが昔話にお付き合いください。

ZAGの創業は2002年ですが、僕がZAGに出会ったのもちょうどその頃で、当時のフリーライドパウダー系の板はセンター84のBIGと93のGold、75のFR75というラインナップでした。SLAPが出るのはちょっと後です。

この3本の特徴は極端に太いトップとアーリーライズの形状で、ZAG的にはヨーロッパで一番最初にロッカーを作ったのはうちで、サ〇モンのBBRとかはうちのパクリだ!などと豪語しています(ハナホジ)。

センター的にはSLAPが100あったので一番太かったのですが、ロッカーも無く、割とキャンバーも強い板だったので、山スキーの板としてはGOLDが完成度も高かった印象です。

AKH君が引き継いだGOLD

ちなみに2006年のアラスカは新井はGOLD、自分はシュガーダディ、同行のAKH君はB3でした。いやー、時代を感じますなw。

その後程なくして出たのがH112で、ほどほどの重量ながら死ぬほど張りの強い板で、GOLDのしなやかな操作性とは真逆のGS板をただ太くしただけみたいだったそうで。なお、僕は乗ったことはありません。

AKIBAXが引き継いだH112

動画の不帰とか、不帰一峰とかはH112で滑ってるはずです。

このH112ですが、センターは102です。112はヨーロッパの緊急電話番号でHはHospital、要は突っ込んで怪我したら電話して病院逝けみたいな名前の板です。

2006年にZAGは一旦倒産してしまって、その後経営体制を変え、拠点をシャモニーに移してツーリングとフリーライドスキーに注力してきます。

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2009年頃のSLAPMW、タマキスポーツで買いました。

余談ですが、この2006年に黒いカラスがシャモニに現れて、豊富な資金力を背景に一気にシェアを伸ばしたので、ZAGは悔しくて仕方ないんですね、「あんなのただのファッション板だ!」と、いつもディスっています(ハナホジ)。まあ日本ではそんなイメージもありますが、現地では往年の名女性クライマーのリヴ・サンゾをガイドとしてサポートしたりしていて、中々どうして本物な感じもあります。

話を戻すと、H112とSLAPはその後も進化しながら開発が続いていました。

新しくなったH112はPatrol(現Harfang)のシリーズに組み込まれ、ポプラコアのガチっと重い、どちらかと言えばゲレンデ寄りのフリーライドモデルになり、センターもしっかりと112になっています。まあゲレンデといってもヨーロッパだと十分死ねる斜面がたくさんあるみたいですから、リゾートスキーではないのですけど。

リミテッドでナース柄のモデルがあったことを知っている人はなかなかのマニアです。

ただ残念ながらH112は18/19モデルで終了、19/20ではH116に変わりましたが、これも今はなく、H106がHARFANGでは一番太い板となっています。

ではH112は幻の名機なのか、というと今もしっかりとその魂は引き継がれています。

そう、センター102のUBAC102が軽量なツアースキーとして進化したモデルと言えます。102はUBACシリーズの中では一番張りが強く、これをヌルチューンして乗りやすくしたのが112と95という位置づけです。

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つまりU102こそZAGがずっと育ててきたSteep Powder Quiverだとも言えます。

ちなみGOLDやBIGはどこに行ってしまったのかというと、H86、そして今季登場のMATAにしっかりとそのシェイプが受け継がれています。ちなみにMATAがカクカクした形状なのはZAGさんがアルペンスノーボーダーだったかららしいです。

さて、そんなU102ですが来季ガラッと変わってしまいます。どうなるんでしょうね。今季までのモデルは約10年続いた完成度の高いモデルなので、それはそれでとても貴重です。

112とかはあの太さであの軽量さでかつ見た目よりイージーな乗り味なので、これまた貴重です。ペツルのヘルメットにATKという界隈の皆さんには現行モデルがもしかしたら向いているかもしれません。

詳細は引き続き後日ということで。

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TTSのFAQ

VoileのサイトにTTSに関するFAQが掲載されました。

Voile TTS Transit Binding FAQ – Voile

ざっと、重要そうな部分だけ抜粋します。

Q:雪崩などの際に開放はされますか?

A:TTSそのものには開放機構はありません。ただしPLUMのトゥーピースを使用しているため、他のPLUM製品と同様には外れるでしょう。

(注:PLUMのトゥーピースには厳密には開放機構はありません。滑走時にはトゥーをロックしないことを推奨します。シビアな斜面を滑るときなど、開放すること自体が危険に繋がる時以外はロックしないでください。)

Q:ブーツの推奨はありますか?

A:おすすめは新しいTX-Proです。市場で最も軽量で優れたウォークモードを持つこのブーツはTTSと最も相性がよいと言えます。もし足型が合わなければ、Crispi Shiverも選択肢に入るでしょう。

古いモデルで言えば、Terminator X-Pro や 古いScarpa F1などもよいかもしれません。

Q:クランポンは含まれますか?

A:クランポンスロットのみ含まれます。クランポンは別売りです。

Q:ピボット位置の違いは?

A:ピボット位置が前に行くほど引きが弱く、後ろほど強くなります。一方で、足の下からカートリッジが出ているため、足の横からカートリッジが出る従来のビンディングよりも引きは強くなります。まず真ん中のポジションから始めて、自分にとって最適なポジションを探しましょう。

Q:NTN同様の強いビンディングと考えてよいでしょうか。

A:強いカートリッジならそう言えます。弱いカートリッジだとOutlawなどと比べてややトーションが弱く感じるでしょう。

Q:ウォークモードの際はカートリッジをどこに仕舞えばよいですか?

A:カートリッジを外してバックパックに入れれば重量は約半分(528g)になります。外さずにヒールライザーの後部に格納してワイヤーで抑えてもよいでしょう。

来季VOILEとTTSのメンテナンス

来季のVOILEに関する情報とTTSのメンテナンスに関する情報です。

先に大事なTTSのメンテナンスについて。

写真はPLUMのPIKAのトゥーピースになりますが、TTSのトゥーピースも同じものです。

PLUMのトゥーピースは左の写真のようにレバー裏側に2本のピンがあって、これをバネで繋いでいます。

レバー操作時に下(装着時に手前側)のピンが動くことによってレバーが動き、ロックされるのですが、グリースが切れるとこの動きが徐々に悪くなり、レバーが動かなくなったり、強引に動かそうとすると下側のピンが抜けたり、最悪レバーが折れたりします。

右がピンが抜けたあとの状態で、この状態になるとブーツを外すこともできなくなるので、定期的にこの部分にグリースアップして動きをよくしてあげてください。

さて、来季のVOILEですが、さすがに為替やら運賃の値上げやらが厳しく、若干の値上げをさせて頂きます。

スプリットボードのビンディングについては値下げとなっているので、詳しくは販売店にお問い合わせ下さい。

板についてですが、来季はベクターエースというモデルが出ます。

昨年出たチャージャーエースと同じコンストラクションと聞いていますが、インスタで見る限りサイドウォールはありません。詳しい情報が出たら改めてアップします。

そして昨年登場のTTSですが、若干の変更があります。

・TTS本体がクランポンスロット付属になり、クランポンにはスロットが付属しません。

・ソフトバージョンのカートリッジが出ます。

ソフトバージョンのカートリッジが出ることにより、TTSのカートリッジは下記4種になります。

1.ショート/レギュラー:スイッチバックと同じ硬さ

2.ショート/ソフト:ショートレギュラー(スイッチバック)より柔らかい

3.ロング/レギュラー:スイッチバックとX2の中間

4.ロング/ソフト:ロング/レギュラーとショート/レギュラーの中間

各カートリッジのTTSと交換用のカートリッジの在庫は持つ予定ですが、さすがに種類が多いので、一部の在庫がすぐ無くなってしまうかもしれません。

これ、というものが決まっていたら早めに販売店さんに予約をお願いします。

来季はロング/ソフトの試乗機を追加予定です。

来季ZAG

来季のZAGですが、SLAP Lite、MATAが追加される他はグラフィックチェンジなどもありません。

ただし、為替や送料の値上げの影響もあり、若干の値上げをさせていただきます。

※価格は税抜き

Adret 78165 / 170 / 176¥105,000
Adret 85 L 155 / 160 / 166 ¥110,000
Adret 85 166 / 172 / 178 ¥110,000
Ubac 89156 / 164 / 171 ¥95,000
Ubac 89 L171 / 176 / 183 ¥95,000
Ubac 95170 / 174 / 178 / 184 ¥100,000
Ubac 95 L158 / 164 / 170¥100,000
Ubac 102 164 / 170 / 176 / 184 / 188 ¥110,000
Ubac 112176 / 184 ¥120,000
H-86170 / 177 / 184 ¥85,000
H-86 L155 / 162 / 170 ¥85,000
H-96 L156 / 164 / 170¥95,000
H-96170 / 176 / 182 / 188 ¥95,000
H-106178 / 186 / 192 ¥100,000
S-JUNIOR137 / 147 / 157 / 167 ¥60,000
S-92 L160 / 166 ¥86,000
S-92173 / 178 / 185 ¥86,000
S-98173 / 180 / 187 ¥88,000
S-98 L 160 / 166 / 173 ¥88,000
S-104176 / 182 / 188 ¥100,000
S-104 L  164 / 170 ¥100,000
S-112176 / 182 / 188 ¥105,000
S-112 L  164 / 170 ¥105,000
SLAP LITE 104170/176/182/188¥110,000
SLAP LITE 104 + SKINS170/176/182/188¥135,000
MATA Ti163/168/172/178¥100,000
South Pole (orange) ¥11,000
North Pole Vario (yellow)                       ¥16,000
North Pole Vario (blue)                    ¥16,000

来季モデルのMATAはカービングスキーのモデルなので、詳細はPDFを御覧ください。

ここではSLAP Liteをご紹介します。

Slap LIteはSlap104の軽量ツアーモデルになります(ユニセックスですが、展開は170cmから)。

Slapはポローニャとポプラのミックスのコアにグラスファイバーのレイヤーを組み合わせた構造ですが、Slap Liteは軽量なポローニャの比率を高くし、UBACシリーズ同様のグラスファイバー&カーボンのレイヤーを組み合わせた構造となっています。

スペックとしてはU102とSLAP104の中間というところでしょうか。

重量とディメンションは下記の通りです。

170 : 133.5/103/122, R17, 1.56kg
176 : 134/103/123, R18.5, 1.62kg
182 : 136/104/125.2, R19, 1.71kg
188 : 137/104/126, R20, 1.82kg

U102がUBACシリーズの中でも張りの強い上級者モデルとなっている一方、SLAP104は操作性に優れたオールラウンドモデルですがロングツアーにはやや重い板となっています。

SLAP LiteはSLAP104の操作性を損なうことなく、軽量さも両立させた、バックカントリーのオールラウンドモデルと言えるでしょう。

価格は税抜き11万円、専用シール付きだと13.5万円となります。

興味のある方は来週まで早期予約を受け付けています。お店にお問い合わせください。

Newモデル追加:SR ski & Charger ACE

Newモデルの紹介です。

Charger ACEについては秋ごろにFBでサラッと紹介していますが、つい最近SRシリーズ4モデルが追加されました。

SR(Skimo Race)シリーズは旧WSPシリーズのアップデート版になります。

WSPとコンストラクションは同じですが、ややロッカーの立ち上がりが早く、ラディウスも小さくなっており、よりオールラウンドに使いやすいモデルとなっています。

ディメンション・重量の比較

WSP: 84/63/72, R25, 1.58kg

SR61 : 93/63/79, R19, 1.59kg

また、今回はSR61,SR51ともにそれぞれステップソールのモデルが追加されています。

純粋な競技用のモデルというよりはライト&ファーストを志向するスキーヤー向けのツーリングモデルという位置づけでしょうか。

なお、ポローニャコアのためテレマーク非推奨となります。

チャージャーエースについてはFBから再掲です。

・シェイプはチャージャーシリーズと同じ

・ポローニャコア、セミキャップ、足元にポプラの補強板

・テールに補強、及びシール固定のためのガード付き

・重量はハイパーとスーパーの中間

・剛性は3モデルで一番強い

・テレマーク可

現状のスーパーチャージャーあたりと比べてもかなり走る板になりますので、テレマークでも75mmはやめた方がいいでしょう。NTNでもきっちり踏める人向けです。